減価する貨幣の例 〜 ヴィア銀行

書評

以前の記事で特に印象深いと感じた「シルビオ・ゲゼル入門 減価する貨幣」の「減価する貨幣を実際に取り入れた事例」が幾つかあるが、減価する通過ではないが今回はスイスのヴィア銀行の例を見てみる。

ヴィア銀行の成り立ち

世界恐慌のとき、例外にもれなくスイスの経済状況も悪く、十人に一人の割合で失業し、中規模の商工業は厳しい状況で、小企業の倒産はかつてないほどに達していた。
また観光ホテルの売上は5年間で65%も減少した。
このような厳しい経済状況の中、1934年の創立。ヴェルグルの減価する貨幣と同じ時期である。

ヴィア銀行の仕組み

・もともとは減価する貨幣を流通させていた
・スイス中央銀行との協議の結果、1948年に減価する貨幣は中止
・現在は電子通貨ヴィアが主に中小企業の間で取引用に使われている(実際には貨幣を発行しない
・2012年末8億5534万ヴィア(約897億円)が流通、年間で14億6千万ヴィア(1530億円)相当が取引されている
・ヴィアは会員企業がヴィア銀行から融資を受ける時に発行される
・ヴィアはスイスフランを借りるより金利が安い
・ヴィアはスイス国内でしか使えない
・ヴィアはスイスの中小企業の取引間で使われている
・ヴィア銀行から会員がヴィア建てで融資を受けるときは僅かな利子が課せられる。
・貯蓄に対しては無利子である。

ヴィアにおける基本的な取引の流れ

・新規参加企業は、入会料、年会費を支払うことで、ヴィアに参加することができる。
・会員企業は、ヴィア銀行が発行する会員名簿や、商品カタログなどの中から必要なものを発注
・ヴィアを扱った取引後、発注した会員の口座から、ヴィアを使用した分の額を提供会員に転記する。

ヴィア銀行の効果

スイス経済がうまくいっているときはあまり流通せず、うまくいかない時に流通している。景気悪い時にスイスフランがなくても、ヴィアで取引できるため、少ないお金(ここではスイスフラン)で取引できるため活発になるとのこと。

スイス国内でのヴィアの影響力はそれほどまで大きくなさそう。これもまた大きな影響力を持ち始めると中央銀行にまた何かされるのかなと。

ヴィアの約款第二条にヴィアの目的が示されている。

「協同組合ヴィアは商業や家内工業、サービス提供に従事する諸企業の相互扶助組織である。その目的は参加者を支援することであり、ヴィアシステムによって購買力を相互に行使しあうことである。またこの輪の中で購買力を維持し、そのことで参加者に追加的な事業量を確保することである。」

このように、中小企業の長期的な利益を考えた上の仕組みである。
このような仕組みはもっと広がって欲しい所ではあるが、、、減価する特徴を取り除かれなければ、今の状況とはまた違った流通量になっていたのではないかなと。

参考資料

地域通貨の事例:ヴィア銀行が発行するヴィアについて 

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